在宅医療における薬剤師の支援

在宅医療における薬剤師の支援

有限会社 フクチ薬局

一社)全国薬剤師・在宅療養支援連絡会(J-HOP)南関東ブロック長

 千葉市では、「高齢者が心豊かに暮らせる長寿社会を創る」を目標に、可能な限り住み慣れた地域で高齢者が自立した生活を送れるよう、その人の状態に応じて、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく提供する「地域包括ケアシステム」の構築・強化を図ることに重点をおいております。在宅医療を行っていくにはチーム医療(他職種連携)は不可欠でそれには、薬剤師も関わっていかねばなりません。昨年10月に千葉大学が千葉市内の薬局に対して在宅のアンケート調査を行った結果を見てみますと(388薬局を対象として171の薬局より回答 44%の回収率)

薬剤師数は少人数のところが多いが、約30%の薬局で在宅を実施していました。この30%と言う数字は全国的に見てみると多いのではないかと思われます。これは4年前より実施していた、千葉県在宅医療薬剤師養成研修の成果によるものと考えられます。

 千葉市でも今年度から「千葉市在宅医療・介護対応薬剤師認定事業」が始まりました。認定事業には170余命の申し込みがあり、5回の研修会を通じて多職種連携の集まりを経験し、職種の違う方達と意見交換をされたと思います。

 在宅医療における薬剤師の支援(役割)とは何でしょうか?

大きく3つの事が考えられます。

Step1は薬に関して

薬の効果や副作用の話だけでなく、服用している薬がきちんと飲めているか残薬の確認、服用できなければその原因をつきとめる。

Step2は患者さんに関して

服用している薬の効果や副作用が出ていないかをチェックすると同時に、患者さんの生活をみて(診る・看る・見る・視る・観る)食事、排泄、睡眠、運動、認知機能を探り、影響を与えている薬がないか等を考察して、時にはバイタルなどを測らせていただく

Step3は多職種&薬薬連携に関して

知りえた情報を多職種の方々や病院薬剤師と連携を取り、共有し合う事で在宅医療の充実を図っていかねばなりません。

 薬剤師の中には多職種との連携を不得手としている方が多く見受けられます。連携をとるためのツールの一つとしてケアカフェといものがあり、日本中の各地で開催されております。ケアカフェはケアに関わる医療者、介護者、福祉者のための学習の場として2012年北海道の旭川で誕生しています。今回の「千葉市在宅医療・介護対応薬剤師認定事業」として第4回のケアカフェちばを千葉市薬剤師会の多職種連携の場として開催いたしました。参加者約130名(薬剤師40名)と医師、歯科医師、薬剤師、看護師、臨床心理士、理学療法士、薬学部学生の医療系からケアマネジャー、福祉用具、ヘルパー、デイサービスなど介護系、権利擁護などで弁護士や司法書士、あんしんケアセンター、行政、僧侶など数多くの方々とお話を交わしました。違う職種が集まり知識や知恵を出し合う、人と人のつながりを力にする会がケアカフェです。

 このように医療と介護の橋渡しを担う役目も薬剤師におおいに期待しては良いのではないでしょうか。在宅支援や地域包括ケアで活躍できる薬剤師の条件としてひとつの地域に根ざしほっとか(け)ない気持ちで地域の住民や自分の患者さんにきちんと責任を持つ薬剤師になっていきたいと思います。